なんか書いてみたり アイマス1時間SS「ヒロインとホストと」

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アイマス1時間SS「ヒロインとホストと」

08-08,2010

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参加作品になります^^
使用したテーマは「男装」です。

はぁ、時間かかるなぁ、やっぱり…
うぎゃー…





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「何よ、あんたも笑いに来たの?」
 そこに立ってたのは立派に少年の姿をした、聞き覚えのあるかわいい声の水瀬伊織だった。
 いつもの長い髪は今や短い髪をしたカツラによって見る影もなく、服装も彼女が好む愛らしいデザインのワンピースではなくウェイターが着る黒と白を基調としたそれを着ている。
 パンツルックの伊織などジャージぐらいでしか見たことない天海春香にとってはとても新鮮に写った。
「笑いに来ただなんて」
「美希は笑って帰っていったわよ」
「まぁ、あの子が言い出したことだし」
 そうなのよねっと不満そうに吐き出した伊織がトレーを脇に挟んで腕組みする姿を見ながら、春香には彼女が男の子になってしまったようにしか思えなかった。
 そもそもなぜ伊織がそんな格好をすることになったかというと、765プロのアイドル数人をメインに据えた舞台が行われることになり、その舞台の宣伝として良い方法はないかと社長である高木順一朗がアイドルに聞いたことが起因している。
 その舞台というのが、架空の女子高にて男装してそこの生徒に接客をするホスト部というのがあり、そこでホストをすることになった女の子とそれを応援する女の子の二人を主役とするラブストーリーっぽいコメディというものだ。ちなみに、春香はその応援する側のヒロインを演じることになっている。
 アイドルの中からはほとんど無難に、TVやインターネットといったメディアを使った宣伝や、街頭やショピングセンターなんかにあるイベントスペースを使ったイベント系のものだった。
 そんな中、不意に美希が、
「時間のあるアイドルを使ったホスト部を実際にやったらおもしろいんじゃないかな」
 なんてことを言い出したのだった。
 周囲のアイドルたちは何を言い出すのかと呆れたりしたものだったのだが、そこは765プロの鶴の一声と言われる高木社長、
「ピンときた」
 の一言で全てが動き出してしまったのだった。
 その時の事務員の音無小鳥の手はずの整え方の早かったこと。
 テレビ局がスポンサーになっていることもあり、場所はテレビ局敷地内の広いイベントスペースをあっさりと借りると、すぐさま萩原組が外観は簡素ながらも内装は今回の舞台上でのホスト部というのを再現した接客スペースを造り上げた。
 765プロも力を入れていることを証明するためにホストをするのはもう一人の主役である如月千早、同じく舞台に出る秋月律子や菊地真、萩原雪歩を中心に所属しているアイドルほぼ全員だ。
 春香だけがヒロインというイメージを守るためということもあってホストの任は外されたが、代わりにテレビでの宣伝をほとんど任されてしまい、今日もこのホスト部のスペースでトークイベントを行うこととなっている。
 そういった中で今日はじめてここに訪れた春香は伊織の姿を見て驚いた次第である。
「注文は? って、あんた、今からイベントじゃない。こんなところに座っててもいいわけ?」
「あははー」
 まさかそのイベントに出る人とは思われず、ここに入ってその時間までの控え室を探していたら普通に客として案内されてしまったとはとてもじゃないけど春香には言えなかった。
 でも、それだけで伊織のほうは察してくれた様子だった。いぶかしげに眉をひそめ、小さくため息をついた後に、
「私が舞台までエスコートしてあげるのもおもしろそうね」
 とまったくそんなことを思っていそうにない顔をして言った。
 そして、次の瞬間、がらりと雰囲気が変わった。
「お手を、お嬢様」
 声まで低く出し、さながら伊織と同年代くらいの男の子にしか見えなくなったのだ。いや、落ち着いた雰囲気を醸し出している分、もっと年かさに見えるかもしれない。
 手を差し出したまま身動ぎしない伊織に慌てて自分の手を置き、椅子から立ち上がろうとした。
 その途端にテーブルの足に自分の足を引っかけて転びそうになってしまう春香だったのだが、伊織がさっと支えてくれる。
「何やってんの、バカね」
 耳打ちしてきた言葉は実に普段の伊織らしい。
 ステージとなっている場所の近くまで手を恭しく伊織に持たれた春香は無事にイベントスタッフと合流し、時間通りにトークイベントを開始することができた。
 トークイベントらしく劇についての説明や思いを話し、来場している客の中から質問を受け付けていると、ひとつの質問が春香にきた。
「今日ホストをされているアイドルの中でお気に入りの子はいますか?」
 そんな質問をされ、普段だったら答えに窮しそうな春香だったが、今日は違う。
「水瀬伊織さん。とってもかっこよくてかわいいホストさんです」
 あっさりと出てきた言葉にどよめきと、賛同を得たらしいまばらな拍手を受けた。
 イベントもつつがなく終わり、ステージから降りてもう一度伊織の姿を見たいと思ったのだが、見れたのは席と席を忙しそうに渡り歩く彼女の後ろ姿しか見れなかった。
 春香は悪いことしたかなと思ってその背中に向かって手を合わせることしかできなかった。
 次の宣伝の仕事のために移動をしている途中、春香の携帯にメールが入ってくる。
「伊織から? なんだろう?」
 そして携帯の画面に出てきたメールの内容を見て、ゲッと声を上げてしまった。
『ふ・ざ・け・る・な! あんたがいらないことを言ったせいでこっちは死にそうよ!!』
「うわー、ごめんー」
 大きく書かれた文字の後に、空白の行が何行も続き、そして、
『それでも、あんたの忙しさから比べたら些細なものよね。宣伝がんばって、舞台成功させなさいよ』
 そんな励ましの言葉と、
『次の舞台公演も決めて、今日みたいに私を出させるように言いなさいよね。にひひっ』
 冗談なのか本気なのか図りかねるが、したたかさを感じさせるメッセージが入っていた。
 それに春香も返信する。
「ありがとう、ごめんね。私も伊織と舞台に立ちたいから、がんばるね」
 送信すると、すぐに返信が来た。
『がんばりすぎて舞台でコケないようにね!』
 そんな言葉にショックを受けると、今度はさらに長い空白行の後に、
『今度は支えてあげられないから』
 とウィンクした伊織の顔が接写された写真が添付されていた。
 惚れてしまいそう、とか思いながら、その写真を最重要フォルダに移動させた春香だった。

-END-

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