なんか書いてみたり 中二病SS

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中二病SS

10-04,2009

※このSSは、島原薫さんの中二病SSと世界観と設定を共有しています。

…共有してるつもりなんですぅ><
なんだかぼやきたくなるのを我慢して…うーわー、武器関係ねー、なんだこれー(我慢できず
一応アクション描写となっていますので、苦手な方はお気をつけください


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 頭から冷水をかけられてようやく目を開くことが出来た。
「こーら、美希! あんなのを避けられなくてどうするの」
 その声でようやく今がどういう状況なのか思い出せる程度には覚醒できた。
 ここはトレーニングを行うための広い部屋で、律子が今日はもう予定がないということだからここでトレーニングの相手をお願いし、最初はうまく攻め込めていて、でもそれは律子がトレーニングということだから攻めさせていたわけで、あのときは気づかずにいたものだからなんでもない中段の回し蹴りがきたと思ったら頭に衝撃があって、
「あれ?」
 そこまで思い出せた時点で自分の記憶がまちがっているのではないかと考え込む。
「り、律子、さん。さっきの蹴りは中段だったのに、ミキはなんで頭のショックで気絶しちゃったの?」
「ん? んっふっふー」
 そう聞くと律子は腰に手をあて、こちらの目の前まで顔を近づけてきた。あまりに近すぎて額と鼻先が当たるほど。その笑い方はいたずらっ子な亜美真美にそっくりだ。
「知りたい?」
「し、知りたいかも」
「どうしようかな、できるようになるのにけっこう時間がかかったのよね?」
「知りたいです、お願いしますなの、律子さん」
 頭を下げたいけども、いまだに律子は額をひっつけたままなのでそれができない。彼女の笑顔は頭でも下げなさいと言わんばかりの意地悪な感じなのに。
「むー」
「OK、1回しか見せないから。ほら、立って立って、寸止めするからガードしないこと、ゆっくりやるからまっすぐこっちを見てること、いい? わかった?」
 早口でまくしたてられて、立ち上がらされる。両腕も起立の形に律子に整えられてしまった。
 踊りのターンのように軽やかな足取りで彼女は距離を取り、声には出さずに、いいわねと唇だけ動かした。
 美希としてはうなずくしかなく、何をされるか怖くて唾を大きく音をたてて飲み込んだ。
 律子は構えというほどの構えは行わず、記憶にあったのと同じ中段の回し蹴りをする素振りを見せた。
 律子の表情が真剣だったけど、その繰り出された蹴りへの恐怖心が湧き上がってきたけども、美希は体が動いてしまうのを耐えに耐えて目の瞬きすら許さずに足の動きを追いかけ続けた。
 脇腹に当たると思った瞬間、その蹴り足の軌道が膝から変化し、律子の足は頬に触れて止まっていた。
「美希なら見えたでしょ?」
 足の甲で軽く頬を叩かれて、慌てて何度もうなずいた。
「ま、あんたならすぐできるんでしょうね。じゃあ、今日のトレーニングはここまでにしましょ、おつかれさま」
 トレーニングルームの出口に向かう律子の背中に向かって、
「おつかれさまなの」
 と声をかけたら、彼女は軽く手を上げて応えてくれた。

 今日は美希だけの試合の日だ。
 相手は同じランクのアイドルで美希と同じように近接での戦闘を得意とする、という説明を雪歩だったかやよいだったかに聞いた気がする。でも、頭の中にあるのはトレーニングルームで見た律子の蹴りの軌道、そのときの体の動かし方しかない。
 今回のルールで許されている装備はナイフや刀、もしくは棍やトンファーといったような近接戦闘用のものみとなっている。
 そんな最終確認を誰かと取った、ような。
 押されるように今日の戦場に上がる。近接戦闘に限定しているからか、普段の戦場のようにだだ広いわけではなく、コンクリートの床が正方形に迫り出した、いわばリングのようになっている。
 相手の名前がコールされる。ナイフすら持っておらず両の拳に身に着けたグローブに金属のプレートが貼り付けられているのが確認できた。
 次は自分の名前がコールされ、手を上げていつものように歓声が聞こえてくる周囲に向かって手を振った。
 観客席に律子の顔が見えた。
 彼女はこちらの視線に気づいてか、軽く手を振り返してくれた。
 少し心が躍る。
 スタートの合図が鳴り、一層歓声がやかましくなる。律子はうるさそうに耳を押さえ、不機嫌そうに周囲を見回していた。
「あ」
 そっか。
 こう動かせばいいんだ。
 体は動き、目の前に一瞬映った影は消えていた。
「やった♪」
 満足のいく蹴り足の感触。
 どよめきのような声が会場から一斉に上がり、それはすぐに歓声に変わった。
 律子のほうを見ると、両耳を押さえながらあきれた顔をしてこちらを見ていた。
 美希が見ていることに気づいたのか、律子は唇を動かして何かを言った。
『合格』
 そう言ってくれた気がして、勝ったことよりもそれが一番うれしかった。

-END-

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