なんか書いてみたり アイマス1時間SS「天海春香、職業は女子プロレスラー」

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アイマス1時間SS「天海春香、職業は女子プロレスラー」

03-19,2010

アイマス1時間SS参加作になります。

テーマは「溶ける」「花束」「対峙」「強襲」、使ったのは「対峙」「強襲」。

俺得で申し訳ないです^^;



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 私は天海春香、職業は女子プロレスラー。
 ようやく一人暮らしができるようになり、今はアパートの自分の部屋の中。
 夜の暗さが入ってきているのにも関わらず明かりすらつけていない。
 いつも元気だけど、今日は、落ち込んでいるから。なんとなくそうしたい気分。
 落ち込み続けて、ようやく元気を取り戻したくなって、そんな時は決まって見るものがある。
 デッキを再生させ、電源を入れたテレビに映ったのは私と千早ちゃんが対峙する試合のオープニングだ。
『如月千早海外武者修業壮行試合』
 そう銘を打たれたこの試合は私が彼女とした最後のシングルマッチだ。
 あの頃から千早ちゃんは才能に溢れた選手で若手ながら注目されていた。同期デビューなのに私は前座試合ばかりなのに対して彼女はメインや上位の試合に何度も出ていたのだから、765プロの期待度がわかるというものだ。
 落ち着いた雰囲気を保つ千早ちゃん、気合いの入りすぎなのがわかる表情をした私。今だってリングの上ではこんな顔をしているのだろうか。
 実況の人が、私たちが同期だがその差はすごく開いている、なぜ試合を組んだのか?みたいなことを言ったのを、解説として一緒にいる律子さんがそれほど差があるとは思わないとか言い返す。その声音は本当にそう思っているのか毎回疑問が残るのだけれど。
 名前をコールされて手を上げる私は千早ちゃんを強い眼差しで見つめたまま。
 彼女は同じリング上にいる私を見ているようで、次の瞬間まで見ていなかったはずだ。彼女の目線はもっと上を見ていたはず。
 この時の気持ちを私ははっきりと思い出す。
 彼女を振り向かせたい。
 私はここにいるのだ。
 前座試合ばかりだけど、それでもあなたの同期なのだ、と。
 ゴングが鳴ると同時に私は彼女に襲いかかる。いきなりの突進に彼女が戸惑っているのがわかる。
 私は彼女の頭を左腕で抱え込むと、右のエルボーをその顔面に叩き込んだ。
 今でもその感触が思い出せる、あの時の感触があるから私はエルボーを得意技のひとつにしたのだから。
 思わぬ衝撃だったのだろう彼女の表情が呆然としたものになる。私はそれに構わず何度もエルボーバットを打っていく。
 千早ちゃんの体が傾き、リング上に倒れ、そのまま転がってリングの外に逃げた。
 私は彼女が逃げた方向とは逆のロープに走り、ロープの反動を利用して勢いをつけてリング外にいる彼女に向かって1番上のロープと2番目のロープの間から飛び出して自分の体をぶつけていった。
 真正面から受け止めてしまった千早ちゃんが会場の固い床に私とともに倒れ込む。
 私はすぐさま立ち上がってリング内に戻ると、周囲の観客に向かってアピールし、外にいる千早ちゃんに向かって戻ってこいと荒っぽく手招きする。
 千早ちゃんは少しフラつきながら起き上がり、リングに戻ってくる。
 調子に乗っていた私は彼女に飛びかかったが、そこに待っていたのは彼女の得意技であるトラースキック。彼女の片足がまっすぐ私の顔に伸びてきて、その足裏が的確にアゴのあたりを蹴り上げていた。
 ここからはほとんど一方的な展開となる。
 彼女の得意とする投げ技や関節技が私を捕らえ、何か1つ出る度に実況の人がもうダメなんじゃないかと大声で言う。律子さんは私の目が死んでないから返すと言い切り、リング上の私は投げ技からのフォールを返して関節技からはロープブレイクに逃げた。
 観客席から千早ちゃんを応援する声とともに私を応援する声が上がってくる。
 テレビの前の私はその声を聞くと、いつも血液が沸騰してくるんじゃないかというような熱を感じる。
 私がバックドロップを千早ちゃんに決める。
 彼女もお返しとばかりにすごい勢いのバックドロップを繰り出してくる。
 それなのに私はすぐに立ち上がり、千早ちゃんの顔にエルボーを入れると彼女の胴に腕を回して後ろに反り投げるジャーマンスープレックスを決める。しかしその回した腕は外さず、千早ちゃんとともに体を横に回転させるとその勢いのままに二人で立ち上がり、私はバックドロップの体勢にして彼女を頭からリングへと投げつけた。
 自分でも目を覆いたくなるようなスピードと角度で千早ちゃんの頭はリングに一瞬だが突き立った。
 ぐったりと寝転がる彼女の体を返してフォールにいくが、彼女はカウントの3までに肩を上げた。
 私はテレビの中の私と同じように拳を握り込む。
 起き上がった私のエルボーと彼女の張り手やキックが交錯する。
 もう感情のままに闘っていた。
 そして、ゴングが鳴り、試合が時間切れで終わってしまったことを告げた。
 そこまで見た私はテレビを消した。
 あの頃リング上で話した私と千早ちゃんの会話を思い出す。
「やるじゃない、春香」
「当たり前じゃない、千早ちゃん」
「じゃあ、私は海外でもっと上に行くから」
「私はここで上に行く」
「楽しみね」
「千早ちゃんがここに戻ってきたとき、メインでシングルマッチ!」
「楽しみだわ、本当に」
 彼女は海外でチャンピオンになった。
 私は今日765プロのチャンピオンの律子さんに挑戦して負けた。
 彼女は近いうちにこちらに戻ってくると宣言した。
 それまでに彼女とメインでシングルマッチをするために私はもう一度実績を積み上げて、表立って彼女とシングルマッチをすると言えるようにがんばらなくては。
「明日もがんばるぞー!」

-END-

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COMMENT

実はプロレスのことはさっぱりですw
でも、アイドルの二人とそのまま重なって読めたので、違和感はなかったです。
春香のエルボー、痛いだろうな……。

お題消化が上手だなーと思いました。
お、そこから来るんだ、という驚きがあってよかったと思います。
企画お疲れ様でした!
2010/03/20(土) 02:48:26 |URL|ピヨ談 #- [EDIT]
拝読させていただきました。
765プロの「プロ」は、プロレスの「プロ」だったのかー(ガーン!)
最初から最後までストレートな「強襲」表現に、ひたすら圧倒されてしまいましたw

自分の得意技を決めたときの、春香の心境部分がいいですね。
自分よりも優れた千早に対して、唯一通用するとわかった部分……
(それが「歌」でも「ダンス」でもなくて「エルボー」なのが妙に可笑しいwww)

こういうSSもアリなんだなー、と目からウロコ状態で楽しく読ませて頂きました。
企画主催おつかれさまでしたー。
2010/03/20(土) 23:26:28 |URL|寓話 #SFo5/nok [EDIT]
>>ピヨ談さん
コメントありがとうございます^^
自分で考えうる範囲でプロレス知らなくても読めるようにしてみたんですが、いかがだったでしょうか。この二人だとこんな感じになるのかな、という妄想が出てしまいましたw
こういう作品にしてしまえばテーマ消化も楽なわけでして…^^;
お読みいただき、ありがとうございました!

>>寓話さん
コメントありがとうございます^^
そのとおり、あのプロはプロレスだったんですよ!(違
春香は派手な技よりは普通の技を得意とするようなイメージで書いてみました。千早は歌がうまいところから単純にプロレスがうまいイメージでw
楽しんでいただけたのならなによりです!
お読みいただき、ありがとうございました^^
2010/03/21(日) 01:11:10 |URL|coro #- [EDIT]

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