なんか書いてみたり アイマス1時間SS参加作品「クリスマスプレゼント」

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アイマス1時間SS参加作品「クリスマスプレゼント」

12-18,2011

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アイマス1時間SS参加作品になります。
使用したテーマは「冷え性」。




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 天海春香はこたつに入ってテレビを見ながら、ひとり悶々としていた。
 ここは如月千早のマンションの部屋で、今日はクリスマスイブのイブで、明日はいっしょの仕事だからとお泊りに誘われたのだ。
 女の子同士とはいえ、こちらは秘めたる思いがあるのだから、心中は穏やかでいられない。部屋に入った途端からモーションをかけようとしたのだが、彼女はケーキを焼いているからとキッチンに引っ込んでしまった。
 手伝いを申し出てもやんわりと断られた。
 ふたりでいっしょにお菓子を作ることはあったのだけど、今日はそうじゃないらしい。いつも教えてもらってばかりだからと言われ、ひとりで作ってみたいのかなと下がることしかできなかった。
 そして、こんなときに限って、テレビで放送されるのはクリスマス特集だ。
 家族で行くようなものならいいのだが、日本では今や恋人同士のビッグイベントになってしまっているものだから、もちろん特集内の比率もそちらに片寄ったものになる。クリスマスを前にして幸せそうな恋人たちのインタビューなんて見せられると何か蓄積してくるものがある。
 砂糖と卵、小麦粉――ケーキの焼ける甘い匂いを嗅ぎながら、両手で頬杖をつきながら、他にすることも思いつかず、テレビを眺める。
 プレゼントはどんなものを贈るのかというものから、今回の予定やクリスマスの思い出などなど、カップルを変えて様々なインタビュー映像が流れていく。
 へへーん、こっちだって千早ちゃんにプレゼントを用意してますよー。
 ペアのネックレスですよー。
 カバンの中から包装されたそれを取り出し、自分の前に置く。
 さらに別のプレゼントも取り出し、それも同じく机の上に置いた。
 こちらは千早から欲しいと聞いた音楽プレーヤー用のイヤホンだ。彼女が今使っているものと同じメーカーで、2ランクほど上の性能のものを選んでみた。
 実はどちらを渡すか、まだ決めていない。
 友だちなのに2つも渡すのはどうしても重たい。ネックレスを渡すのは何やら意味ありげだし、イヤホンだけを渡すのは実用的すぎてなんだか寂しい。
「どっちがいいかなぁ」
 ひとりごちても決まるはずもなく、春香は頬にあてていた腕を崩し、それを枕に目を閉じた。

「春香、できたわよ」
 あらと小さく声を上げる。
 すやすやと穏やかな寝息をたてて眠る春香の姿があった。
「待たせすぎたかしら」
 デコレーションが思ったようにできず、何度か手直しを試みたのがよくなかったのだろう。時計を見て、そのことに彼女は反省する。
 両手に持った大皿の上に乗ったブッシュ・ド・ノエルはそれでも少し崩れていたが納得の出来にはなった。お菓子の先生でもある春香に見てもらって褒めてもらおうと思ったのだが。
 こたつの上に置いていてクリームが溶け始めてはいけない。キッチンに戻ろうとしたところで、机の上のプレゼントが目に入ってきた。
「あれは」
 ひとつは最近行った家電量販店でよく見かけたプレゼント用の包装紙だ。その中身も気になるが、もうひとつのほうがより気になった。
 確か美希がプロデューサーにねだって買ってもらったというアクセサリーショップのクリスマスプレゼント用の包装ではなかっただろうか。そんなことを思い出したが、その2つが置かれていることはわからなかった。
「ケーキを置いてこないと」

「春香、起きて」
「ふぇ……寝ちゃってた!?」
「ぐっすりね」
 くすりと笑われてしまい、春香としては顔を真っ赤にするしかできなかった。
「ごはんまで時間があるし、今プレゼント交換しましょうか」
 プレゼント交換はメインイベントでしょーと思いながら、机の上にある2つのプレゼントを手に取る。
 あ。
 口をその形に開け、春香は固まってしまった。
 それに気づいた様子のない千早はラッピングされた紙袋を春香の前に出してくる。
「あなた、最近冷え性気味だっていってたでしょ。マフラーと手袋と靴下のセットなんてあったから、どうかと思って」
 実に彼女らしい現実的なプレゼントにうれしくも苦い笑いを浮かべずにいられない。
「ありがとう」
 それを受け取り、自分の前に置く。
 さて、次は自分の番だ。
 見られているのだ、もうこの際両方渡してしまおう。そう心に決めて、彼女に向かって差し出した。
「2つとも? いいの?」
「うん、もちろんっ」
「ありがとう。開けてみていい?」
 いいよと勢いよくうなずく。
 イヤホンのほうは素直にうれしがってくれた。明日から使わせてもらうとまで言ってくれて、それだけで舞い上がるほどうれしくなった。
 ネックレスのほうはというと、すぐにそれを身につけてくれ、
「どうかしら?」
 と聞いてきた。
 想像していた以上にそれは似合っていて、そう言いたくても出てきてくれず、口をぱくぱくと動かしてしまった。
「あの。実は、これと、同じやつ」
 春香は自分の首にかかっているネックレスを見せる。何言ってるんだ自分!とツッコミを入れつつも、それ以上は何も言えずに千早の次の言葉を待ってしまった。
「そうなの。すごくうれしい」
 本当にうれしそうに笑った彼女の顔につられて笑う。
「クリスマスプレゼントなんだから、こういうものを選ばないとダメね。来年はもっとちゃんと選ぶわ」
「そ、そうだねー」
 少しずれたことを言う千早へのリアクションに困りつつ、これは来年の約束もゲットできたのかなとぼんやりと思った。
「じゃあ、晩ごはん、少し早いけど準備するわね」
 イベントの余韻もなく動き出した千早の背中を見送りながら、
「それでもやっぱり」
 好きだなぁとだけは口の中でつぶやいた。
「あ、千早ちゃん、今度こそは手伝うから」
「いいわよ」
「泊めてもらうんだから! ね?」
「そうね。お願いするわね」
「やったー」

-END-

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