なんか書いてみたり アイマス1時間参加作品「なんでですっ!?」

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アイマス1時間参加作品「なんでですっ!?」

12-03,2011

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アイマス1時間SS参加作品になります。
使用したテーマは「どや顔」。




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「あ、律子さん。一緒に帰ろー」
 事務仕事に追われている秋月律子に笑顔でお茶を出していた萩原雪歩だったのだが、その星井美希の言葉に「あれ?」と思った。
「やーよ。今仕事してるんだから」
「ぶー。最近はそればっかりなの。ミキ、つまんない」
 頬をふくらませたり、腕を組んで睨んだりする美希の姿を頭のどこかで予想していたのに、実際は心の底からしょげた様子で立ちすくんだのを見て、雪歩は内心「ええっ」とうろたえてしまう。
 そのままでいる美希と、仕事を黙々と進める律子。
 ふたりに挟まれる形になった雪歩としてはどうしたらいいのかわからず、その場であわあわしながら律子の顔と美希の顔を何度も見比べるしかできなかった。
 美希の唇がわずかに開き、
「どうしてもダメなの?」
 彼女にしてはめずらしい、おそるおそるといった声音を律子へ。
 そして、しおらしく返答を待つ美希の姿を見届けた雪歩はどう答えるのかと律子のほうへと顔を向けた。
 パソコンの画面から目を離さず、キーボードを爪弾いたままの律子が声を出したのは、
「もしもし、765プロの秋月です。あ、いつもお世話になっています。その節は本当にお世話になりまして……」
 美希への返答ではなく、仕事の電話だった。
 全然彼女を気にしていない律子の姿に雪歩は悲鳴を上げそうになる。
 美希の顔をうかがってみると、「つまらないのー」というのが大声で聞こえてきそうなくらいの表情だ。唇も大きく尖らせて。
 雪歩はそれを見て、「うわー」なんて声を出してしまいそうになる。
 本当に彼女はいったいどうしてしまったのだろう。そんなことが雪歩の頭をもたげた。昨日までだったら「律子、さん」なんて、とってつけたようにさん付けをし、怒らせてばかりいたはずなのに。
「次もよろしくお願いします。ありがとうございます!」
 電話を終えた律子はそのままパソコンへと向かう。
 そこで美希ちゃんに声をかけてあげて!と訴えたかった雪歩だが、結局何も言えず、目をきつく閉じて固まってしまう。
 キーボードを叩く音だけしか聞こえてこなかった。
 お茶を飲む音、湯のみを置く音。
 タイプ音。
「美希ー」
 ようやく律子からその声が聞こえてきて、雪歩は目を開けた。
 名前を呼んでいるのに、その人へは目もくれない様子に驚かされる。
「もうすぐ終わるからー」
 その後に続く言葉は「一緒に帰りましょう」なのだろう、きっと。
 美希の顔色をうかがうと、そこには理不尽な光景が待っていた。
 したり顔、というより、ドヤ顔でこちらを見られるという光景が。
 なぜと美希に問いかけたかったが、そうするのも怖く、もとい、はばかられて声をかけられなかった。
 本当にすぐに仕事を終わらせた律子が自分の湯のみを片づけ、帰り支度をてきぱきと済ませる。そして恋人のようにふたりは腕を組んで事務所を出ていった。
 雪歩はそのあいだもずっと固まっていることしかできなかった。

「ただいま戻りましたぁ。あら、雪歩ちゃんだけ? 他の人はもう帰っちゃったのかしら」
「あずささん~!」
 近づいてきた三浦あずさにすがりつくようにして抱きつく。
「あらあら、どうしたの?」
 泣き出してしまってうまく答えられなかったが、それでも構わずに抱きしめてくれた優しさに、ふいにきゅんときてしまった。
「落ち着くまでこうしているわね」
 あずさのやわらかさに包まれ、もう涙は止まっていた。
「あ、あずささん」
「もう大丈夫? 雪歩ちゃん」
 口はそこから動いてくれず、結局彼女の胸に顔をうずめる。
 もう少し落ち着いてから、ちゃんと考えてから……。
 そんなことを思いながら。

-END-
 
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