なんか書いてみたり 百合M@S108式参加作品「彼女のアイドル」

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百合M@S108式参加作品「彼女のアイドル」

11-27,2009

CPはなんと亜美×舞ですって…誰得なの? ねえねえ、誰得なの?
…思いついて何が悪い(`・ω・´)

【企画】ワシの百合m@sは108式まであるぞ」の参加作品になります。
よろしくお願いいたします。



使用お題:笑顔

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 ある日、私の娘の愛が765プロでアイドルをやっているという子供2人と一緒になって家に帰ってきた。
「お母さーん、亜美ちゃんと真美ちゃんを連れてきたよー!」
「おジャマしまーす。亜美だよ、愛ぴょんのママさん」
「はじめましてー、真美だよ。おジャマしまーす」
 なんでも前に何かのレッスンで知り合って仲良くなったらしい。今日はこの家で彼女たちが持ってきたゲームを愛と一緒に遊ぶために来たのだ。

 ゲームに夢中になっている子供たちを眺めていると微笑ましい気持ちになる。あんまり遊び過ぎるのはちょっとばかり心配になってしまうけども。
 そうやって彼女たちの少し離れた後ろで私が立っていると、双海姉妹の片方がこちらに気づいて近づいてきた。
 失礼ながら名前を確認すると、彼女は「亜美だよ」と名乗ってくれた。
 右側に髪を束ねているほうが亜美ちゃん、逆が真美ちゃん、舞覚えた。
「ねぇねぇ、愛ぴょんのママさんは」
「舞よ、日高舞。知ってるでしょ?」
 こちとら伝説のアイドルですよ。といっても、彼女の歳じゃ知ってるはずないか。
 そんなことを言ってしまった自分が恥ずかしくなるものの、亜美ちゃんのほうはお構いなしの様子で、
「んーっと、日高舞だから、マイマイでいい?」
 子供らしく無邪気にかわいい笑顔でそんなことをのたまった。
「いいわね、その呼び方。私をそんな風に呼ぶ人、亜美ちゃんが初めて。それで、私に何か用かしら」
「用ってほどでもないんだけどさー、マイマイに聞きたいことがあって」
「なにかしら、聞きたいことって」
「マイマイはまた結婚しないの?」
 そんなことを聞かれて固まってしまった。愛との生活に何の不満も持っていなかったから、今まで考えたこともなかったことだ。
 どうしてそんなことを聞くのか問い詰めようとして口は開くけど、そこから声は出てくれなかった。子供からのまさかの質問に動揺してしまったのだろうか。
「その様子だと考えてないっぽいね。じゃあね、亜美とマイマイが結婚するのとかどうよ?」
 そんな冗談めかした言葉にようやく我を取り戻し、私は腕を腰に当てて彼女を斜に見下ろした。
「本気で言ってるの? 亜美ちゃんと私だと、ちょこっと年の差があり過ぎるわね。そもそも女の子同士だし」
 私がそう言うと、亜美ちゃんは唇を尖らせた。
「えー、別にいいじゃん、そんなこと」
「あなたより年上の子供がついてくるのよ?」
 その表情が一瞬だけ、子供が子供を見るようなものではなく、まるで親が子を見守るような穏やかな笑みになった。
 見間違いかと思ってもう一度確認しようとすると、亜美ちゃんはこちらにあっけらかんとした笑顔を向けてきた。
「愛ぴょんなら全然オッケー、面倒みるみる。それぐらいのカイショーはとうぜん持ってないとね」
 その言葉を笑い飛ばしてしまってもよかったのだろうけど、彼女の真意を確かめたくて聞いてしまった。
「本気なの?」
「亜美はいつだって本気だよ」
 その表情がかっこよかった。
 かわいい女の子のはずなのに、そう思ってしまった。
 内心でそれを振り払いながら、腕を組んで胸を張る。そんなことを思ってしまったなんて相手に思わせないように。
「証明が欲しいわね」
 この子がどこまで本気なのか、確認をしようとしている。子供なのだからそんなことを気にしなくてもいいはずなのに。
「証明かー、だよねー。じゃあさ、アイドル・アルティメイト優勝なんかがいいかな?」
「あら、自信あるの? 私のときは楽勝だったけど、今年は結構厳しいって噂じゃない?」
 テレビのコマーシャルでも誰が本命かわからないといった煽りをしていたのが記憶にある。
「それで証明になるなら、亜美はやっちゃるよ!」
 亜美ちゃんは両手拳を力強く握り込んで、気合の入った表情をする。
「じゃあ、亜美が優勝したら、オッケーしてくれる?」
「そうね、いいわよ」
「決まりだね!」
 子供なのだから、指切りぐらいはしてあげようかと右手の小指を立てて彼女の前に差し出した。
 亜美ちゃんは不適に笑って指切りをしようとはせずに私の左手を取ってからその薬指に軽く唇をつけ、こちらを見つめながら片目を一度閉じた。
 子供が大人っぽいことを真似して、といった風に一笑に伏せてしまいたかったのに、彼女の瞳の光に私は表情が変えられなかった。それだけでなく、キュンッだなんて音が心臓から聞こえてきてしまった。
「あーみー、愛ぴょんの相手、真美だけじゃつらいよー」
「ほーい、今行くよ、未来のお父さんがー」
 私の動揺が抜けないまま真美ちゃんの呼ぶ声に彼女はこんなことを言ってのけたのだ。
 子供2人は何かの冗談と思ったのか大声で笑い飛ばしてしまった。
「なんなの、それー」
「亜美ちゃん、ふざけないでよー!」
 私はなぜか赤らんでしまった顔を冷ますために彼女や愛たちに見られることのない台所へと駆け込んだ。

 アイドル・アルティメイトの決勝戦が終わり、コマーシャルが明けて結果発表のテロップが大きくテレビの画面に映し出される。
 こんなに時間をかけなくても、私は誰が優勝か予想、いや確信できた。
『優勝は、双海亜美さん!!』
 司会者からそう告げられた彼女はそれが当たり前かのように落ち着きはらった様子で、しかし観客席の歓声には手を大きく振り、輝くような笑顔でしっかりと喜びを表してみせた。
『この気持ちをまず誰に伝えたいですか?』
『そだねー、カメラで映ってるから伝わってるよねっ!』
 バチンッと音がしそうなほどのウィンクからこちらに向かって何かの信号でも飛んできたような気がして、この前と同じように胸が高鳴り始める。
 自分だ自分だと観客席が騒いでいる声がうるさいはずなのに、そんなものはまるで遠くの雑音にしか思えなかった。
 大きく映された彼女の顔しか視界に入ってこなかった。
「ねぇ、愛。私、恋、しちゃったかも」
「えぇーーーーーーーーーっ!? だ、だれっ? 私の知ってる人? ママー、ねえってばっ!?」
 テレビの中では亜美がアイドル・アルティメイトの王者として高らかに歌い、ステージ狭しと飛び跳ねるように踊っている。決勝戦の疲れなど全然見せておらず、小さい体ながらそれがとてもたくましく見えた。
 カメラ目線の彼女と目が合うたびにこちらは胸が高鳴るばかり、これではどちらが年上なんだかわからないほどだ。
 この私が負けちゃった、伝説のアイドルとも言われた日高舞が。
 でもこうなったら、こっちも本気なんだから。覚悟していてね、双海亜美。
 彼女がまたこちらに向かってウィンクをして、こちらも負けずにウィンクを返してみせた。まるでそれが通じたかのように、彼女は嬉しそうに笑ってみせた。

-END-

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