なんか書いてみたり 春香と千早姫2

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春香と千早姫2

11-15,2009

またできちゃったんだね…ちかたないね(´・ω・`)
前の話はこちら「春香と千早姫」にて記載しています。まだ未読な方はこちらを先にお願いいたします^^

追記:そしてまたもまたも晴嵐改さんからイラストをいただいてしまいました、ありがとうございます、いつもお世話になっております(土下座
というわけで、SSの途中に貼らせていただきました!



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 あの夜の騒ぎなど嘘のように静かな夜、春香は自分の寝屋に忍んできてそのまま布団の中で眠ってしまった千早姫を眺めている。
 穏やかに寝息をたて、寝顔は童女のようにあどけない。
 あまりの微笑ましさに春香は頬がほころぶのを感じた。
 横で座り、千早姫の顔を眺め、実際は指一本動かせず、今なら姫君を死に追いやることなどた易いことなのに春香にはそうしようなんて露にも思えないでいた。
 愛しい人が傍らにいるそのうれしさが勝ってしまう。
 少しぐらいなら触れてもいいだろうかと悩み、どこに触れても大丈夫かと目をさまよわせ、少し乱れている髪を直すぐらいならいいだろうと手を伸ばすも、直前にて心がくじけて座した膝の上に手を戻してしまい、何をやっているのかと自己嫌悪に陥る。
 膝に置いた両の手の包帯を見つめていると春香の意識がふと、昨夜の燃え落ちる館を抜け出した後のことに思いをはせ始めた。

 火の粉から千早姫を庇いながら、なんとか館の外を抜け出すと、そこには数名の侍が立っていた。
 彼らは侍らしい居丈高な言葉で千早姫を渡すように命じてくるのだが、春香の背後にある炎で照らされた表情には館が燃えているという状況で起こるような焦燥や動揺といった感情は見えず、ただ引き渡すようにしか言ってこない。
 今は千早姫の命を守ると心に決めた春香には今の彼らに彼女の身柄を任すことなど到底できることではなく、抱えていた千早姫の体を背中に乗せて抱えなおす。
 侍たちは春香が渡すつもりがないことを察したのか、腰の太刀を引き抜きつつゆっくりと迫ってきた。
 春香は武器になるようなものを持っていない現状に歯噛みしたくなるが、それはまず生き延びてからの話だ。
 振り下ろされてくる刀をかろうじて避けていく。
 自分に当たるのはともかく、千早姫に当たってはならないと思い、きわどい太刀筋には腕を刀の平地にぶつけて払い除ける。

春香と千早姫3

 背中の千早姫を支えるためには片腕を使うことは許されない。
 どうしても残る一方の腕だけで防ぐこととなってしまい、春香は自分への防御をあきらめることにした。
 千早姫は何があっても絶対に無傷にて逃れさせることを改めて心に誓い、自分はいくら傷を負おうとも、生きてさえいればいいとだけ春香は思うことにした。

 無我夢中であったから、あの後どうやって逃げ延びたのかそのあたりの記憶は春香には曖昧にしか思い出せない。
 気がつけば館の火を消しに来た者たちに助けられ、それから城へと運ばれて幾日が過ぎて今現在に至っている。
 自分の傷は驚くほど少なく、今は千早姫の供をしていても問題ないほどに立ち回れるようになった。
 千早姫は命を助けてもらった恩を感じているのか、以前にも増して「春香、春香」となついてくるようになった。そのことが春香にはたまらなくうれしい。
「春香ぁ」
 千早姫に声をかけられて、心臓が一拍だけ飛び跳ねる。
 彼女の様子を伺っても目を開く気配はない、ただの寝言であったことに春香はため息が出るほど安堵してしまう。
 布団から出た千早姫の腕を春香は一度だけ両手の中で柔らかく握り込んでから離し、布団の中へと仕舞い直す。
 そして、またその寝顔を眺める。
 この平穏な時間が永遠となればいいのに。
 そんなことをぼんやりと考えてしまう。
「春香殿はまだ起きていますでしょうか」
 思考はその言葉によって遮られた。丁寧ながらもどこか怜悧な響きに背中が大きく震え、警戒せねばいけない相手とすぐに判断できた。
「どなたでしょうか?」
 開けた際に障子戸の向こうからは千早姫の姿が見えないように気遣って体の位置だけは変えておく。
「単刀直入に、あなたの正体についてお尋ねしたく参った次第。千早姫様には危害を加えるつもりはありません。一度外に出てきてはもらえないでしょうか」
 淡々としていながらも有無を言わさぬ声音だが、確かに殺気のような荒々しい気配は感じられない。まるで役人が義務的に確認事項を聞きにきたといった風情であった。
「しばしお待ちを」
 春香は明かりを消し、千早姫を起こさないように静かに障子戸を開けて外に出た。
 そして、春香は目の前にある外の状況に慄いた。
 声をかけてきたのはすぐそばに座している髪の短い少年のような面立ちの少女なのだろう。
 それとは別に2人の少女、おかっぱ頭をした大人しそうな少女と獅子を髣髴とさせる金色の長い髪をした少女が気配も感じさせず座していた。
 3人ともが無表情でこちらを見つめている。
「もう一度お尋ねします。あなたの正体は如何なる者なのでしょうか」
 先ほどと同じ少女がそう問いかけてきた。

-Continued?-

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