なんか書いてみたり two of a kind

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two of a kind

05-10,2011

Twitterなどで親しくさせていただいている浅井結衣さんとコラボさせてもらいました!

コラボの方法としては、お互いが出し合ったテーマのもと、プロットを書いて交換してSSを書くこと。
テーマは、自分と浅井結衣さんの好きな「ひびまこ」で「デート」と「似たもの同士」というふたつのお題です。
どうせならとタイトルまで一緒にしました。

コラボした浅井結衣さんのSS→「two of a kind

よろしくお願いいたします。






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 事務所に向かう途中の道でボクこと菊地真はいつものようにボクの恋人と合流する。
 実際、違う学校の制服を来ていっしょに歩くボクたちは街行く人たちにはどう見えるのだろう。
「なぁ、真。自分、デートに行きたい」
 突然の申し出にボクはすぐにうなずく。
「いいね。いつにしよう、いつがいい?」
「今度のオフ、平日がいいかな」
「あー、二人のオフが重なってる日があったね、確か」
「うん、その日がいいな」
 いいねとうなずいてみせると、彼女――我那覇響はいつもの太陽みたいに明るい笑顔でうなずいた。
 どこか行きたいところは尋ねると、
「動物園行きたいな。あ、映画館もいいな、ちょうど見たいのが公開されているし。他にも……」
 うれしそうにいくつか候補を上げてくる。
「ボクはショッピングとか。おもいきってハイキングとかもいいね。あとはそうだなぁ……」
 こちらも楽しくなってきて、いくつも希望を言う。
 そうやってお互い言い合いしていくのが楽しくなって色々出していく。響も楽しくなってきているのがわかる。きっとボクも今彼女と同じような顔をしているんだろうな。
 事務所の前まで、ここに行ったとしたらどう行動するかなんて空想のデート計画を会話し続けていたときだった。
 急に何か思い出したのか、「あ」と響が声を漏らした。
 どうしたのだろうといっしょに立ち止まると、彼女は急にもじもじとしながらもはっきりと言ってきた。
「水族館行きたい」
「どこの水族館?」
「えーっと、どこだっけ? 確かけっこう近いところだぞ。またメールで送る」
「そこで決定でいいの?」
「うん! そこのクラゲとか熱帯魚とかいっしょに見たいなって、思ってたんだ」
「今の今まで忘れてたくせにー」
 そう指摘すると響は顔を一気に真っ赤にさせた。
「そ、そうなんだけど。う~……」
 恨みがましくこちらを見てくるのがたまらなくかわいくて身悶えしそうだけど、さすがに事務所前ではこらえる。
「ふふーん、どうしよっかなー?」
 ボクがこんなことを言ってると、響はすがりついてお願いしてくるんじゃないかなと期待してると、
「真の猫口、たまらなくかわいいな!」
 なんて全然見当違いなことを言い出してくる。
 こっちが驚いていると、今度は体をひっつけてねだってくるのだからこちらとしてはたまらない。ボクは結局それにほだされてしまい、響に水族館と待ち合わせの場所をメールで教えてもらう約束して事務所へと入った。

 *

 デート当日、響の言ってたとおりに電車でそんなに時間がかからない場所にすいぶんスタイリッシュで近代的な水族館があった。
 はしゃぐ響に手を引かれながらボクたちは水族館へと入っていく。
「こっちだぞ」と響に引っぱってこられたのは、クラゲばかりがいる幻想的なエリアだった。
 様々な形をした大小のクラゲが淡いライトに照らされて泳いでいる。それを見るのは確かに目に楽しい光景だった。
 響の様子を横目で見てみると、子どもみたいに大きな目をいっぱいに輝かせて食い入るように見ていた。
 それならそれでこちらも負けないくらい楽しむのみだ。
「あっちのもすごそう。見に行こう、響!」
 今度はこっちが彼女の手を取り、そっちへとひっぱっていく。
 お互いあれを見よう、これを見ようの引っぱり合い。
 水槽の前に来たら来たで、二人して張り付いて見つめる。
 そんなことをしていたら、不意に後ろで子どもたちの声が聞こえきた。
「あのお姉ちゃんたち、同じポーズで見てるよー」
「ほんとだー」
 はじかれるようにお互いを見てみると、確かに手すりへの手のつきかたも足の置きかたなんかもまったく同じだった。
 響もそれがおかしかったのだろう、いっしょになって吹き出してしまった。
 
 昼食も済ませたタイミングでアナウンスでイルカショーが始まるというのが聞こえてきた。
 水槽の魚やラッコなんかの水に住む動物たちを見るのを優先してしまって午前中の回を外していたボクたちはうなずき合って、急ぎ足でそちらに向かうことにしたのだった。
 大きなプールの中にイルカが芸をしたりジャンプをしたりするのを感心したり楽しんだり、ボクたちはいっしょになってはしゃぐ。
「ジャンケンに勝った人にはイルカとのふれあいができまーす」
 それを聞いて、一生懸命になってジャンケンに勝とうとがんばるボクたち。
 響が脱落して盛大に悔しがるなか、ボクは勝ち残ってしまう。
「ごめんね、響」
「真ぉ」
 プールのそばにやって来た他のお客さんが握手したり頭なでたりする中でボクの番に回ってきた途端、イルカはいきなりほっぺにチュッっと口をつけてきたのだった。ボクは驚いたものの、すぐに握手とキスを返した。
 響はさらにくやしがっていて、ボクのほっぺにキスしたいとか言ってくるんだから参ってしまった。
 人目がなかったらなぁ。
 それからも端から端まで見てやるって勢いで水族館を歩き回る。
 家や事務所へのおみやげも二人で選んで買っていると、さすがにそろそろ帰らないとなって時間になっていた。
「そろそろ、帰ろうか、響」
「うん……あ、その前に、ちょっと寄りたいところある、んだぞ」
 ボクはどこだろうと考えながら歩き出す響の後をついていくのだった。

 水族館近くには海を見下ろせる公園があった。
 うながされるままに教会のそばにあるベンチに座ったボクは響に合わせる形で水族館の感想を言い合う。響はクラゲの話が多かったところから見るに、相当気に入ってしまったらしい。元から一番見たかったというのもあるのだろうけど。
 ひとしきり話した後って、急にお互い黙ってしまう「間」みたいなものができる。
 そうやって黙って、二人で少し潮の香りがする風を嗅いでいるのも響とだからこそ楽しいのだろう。
 なんとはなしに手をつなぐ。
「あ、えと」
 響がまた話し始めたのをボクは静かに聞く。
「ここのベンチで、キスした恋人同士って」
 緊張しているのだろうか、彼女にしてはめずらしく口ごもりながら、でもしっかりと言葉を発してくる。それはボクたちの告白の日の響に似ていた。
「永遠の愛で、結ばれるらしいぞ」
 真剣な目がボクの顔を捉えてくる。
 プロポーズみたいな、いやそのものとも取れる言葉を聞けると思っていなかったボクの顔は一気に熱くなった。こんな時間でもなかったらどんなに真っ赤になっているのか確認したいくらいだ。
「だから今日は、ここを選んだんだぞ」
「ほんとにー?」
 ボクはからかうように聞き直す。
「ほんとだぞ」
 響がふざけるんじゃないと肩を叩いてくるのをボクはかわしつつ、ボクは体を少し寄せる。彼女もそれに気づいているのか、叩くふりをして顔や体を少しずつ寄せてきているような。
 あまり見たことのない色っぽい表情に、薄く開いた唇。
 こちらも迎え撃つように顔を近づけていく。
 お互いの吐息がかかる距離。
 もうすぐ。
 初めての――。
 ガツッ。
「痛っ」
 ゆっくりかと思っていたんだけど、そんなことはなくて、けっこうがっついた近づけかたをしていたみたいだ。思いきり前歯を打ったボクたちは軽く悶絶しつつお互いを気づかうような目線をやった。
 どちらが吹き出したのが先だったか、痛みを忘れて笑い出してしまう。
 さっきまでシリアスだったのに、結局そういうのができないんだから、本当にボクたちって似たもの同士だよね。
「じゃあ」
 どちらが言い出したのか、ボクたちはまた顔を近づけあう。
 目を閉じると、唇に柔らかい熱が触れてきた。
 そのタイミングで教会の鐘が鳴るなんて、すごいドラマティック。
 どこかでカシャリと音がした気がしたけど、ボクはかまわずに響のそれをしっかりと自分ので包み込んだり、包み込まれたりしたのだった。

 *

 翌日、事務所で春香が携帯電話を見せてきた。
「ねえねえ、真。この写メ、欲しくない?」
「写メ? どんな?」
 ボクはそこに写るものを見て、思わず悲鳴を上げそうになった。
「あ、春香。やっぱりそんなことをするつもりだったのね」
「そんなことって何かなー?」
 ボクは春香の携帯電話を持ちながら固まったまま、春香を叱る千早の声を聞くのだった。
 これが撮られているということは、あの時に二人はあの公園にいたということなのだろう。
「おはよー。どうしたー、真ー?」
 事務所に入ってきた響に問われるままに携帯電話の画面を見せると、案の定、なんとも表現のしようのない奇声を上げて固まってしまった。
「いやぁ、よく撮れているでしょう。記念に送っちゃうよ! どーだい、ん?」
 そうやって春香が茶化してくるのをボクたちは真っ赤になって黙ることしかできなかった。千早は千早で叱ってくれているのだが、どこか楽しげでちゃんと止めてくれないし。
 ボクたちは散々春香にもてあそばれた後、千早の立ち会いのもと、携帯電話からそれを消してもらったのだった。
 ボクたちの携帯電話に送ってもらった後で。

-END-

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