なんか書いてみたり ステキになった律子と

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ステキになった律子と

11-26,2010

よーしよーしよーし、3日目ですぜ!
今日はいおりつですぜ!




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「あんたはもうちょっとオシャレでもすればいいのよ」
 765プロの事務所での業務中、私――秋月律子がそう言った水瀬伊織を見ると、退屈そうな猫の表情でソファに体を沈み込ませながらこちらを見ていた。
 どうでもいいことだが、伊織の膝の上には本当に猫のように眠ってしまっている星井美希がいたりする。
 は?っと我ながら間抜けな声を上げると、それがおかしかったのか、伊織はくすりと笑って、
「私がコーディネイトしてあげるわよ。アイドルなんだから、普段からそういうの気にしないといけないものよ?」
「いいわよ、普段着まで好きなものでいいじゃないの」
「そんなこと言ってると小鳥みたいになるわよ」
 その一言に隣りのデスクで仕事をしていた音無小鳥が突っ伏して撃沈した。
「服は私が選んで。そうね、髪型も変えて、眼鏡も変えちゃいましょう。レンズはすぐにできないんだったのかしら、アイドルする時に使うコンタクトレンズがあるからそれでいいわよね。律子の好みに合いそうなお店でいい感じのところって言ったらどこがいいか……」
「ちょっとちょっと、私は行く気はないわよっ。なんでそんなことに付き合わなきゃいけないのよ」
 私が彼女の言葉を遮って言ったことに伊織は特にリアクションを示すことなく、
「暇だからよ、見ればわかるでしょ?」
 そんなことを平然と言ってのけ、私の口は開いたままなかなか閉じることができなかった。
 彼女は私のそのリアクションが気に入ったのか、「にひひっ」と笑いをこぼした。それが非常に愛らしいから憎めない。
 
 その後も何かとその話題を出してくる伊織には辟易させられることになった。ある時なんかファッション誌を持ってきて、こういうコーディネイトをしてみたいとか。眼鏡やヘアスタイルのカタログを持ってきては、どれが好みかとか。
 どうしたものかと他のみんなに相談してみるのだが、全員が全員「やってみたら」と興味津々に、あるいはおもしろがるような答えしかこなかった。
 ついには根負けした私が「お願いします」と力なく頼むこととなり、とんとんと話が進み、最初に眼鏡を換えさせられた。
 髪は切りたくないと私が拒否をした結果、「その三つ編みができなくなるのも問題あるかもしれないわね」としかたなさそうに伊織は許してくれ
た。髪型はきっちり変えさせられたが。
 服は一般の学生ではまず入ることないような高級そうなショップにつれてこられると、ここからが本領発揮と言わんばかりと彼女の着せ替え人形よろしくあれ着てこれ着てさせられる。
 そして、最後に決まったのは、シンプルな黒のパンツスーツに淡緑の襟から胸元までが洒落たデザインになっているブラウス。パンプスも緑と黒のパッと見はシンプルなものを履かされた。
 出された領収書に書かれた金額は目玉が飛び出そうになるほどのものだったが、伊織が機嫌よくサインをしたことにも驚かされた。
「さて、せっかくオシャレしたんだし、次はねぇ」
「まだ何かあるの!?」
「一緒に歩きましょ。腕組んでもいいかしら?」
「は?」
 私の返答なんか待たずに彼女は私の腕を取って店を出る。
 色々あり過ぎて混乱する私は彼女の横を歩き、その横顔を見つめることとしかできない。
 少し歩くと、そんなことがあっても不思議なもので落ち着いてくるものなのだろう。
「ステキになった律子と、こうやってデートっぽく歩いてみたかったのよ」
「は?」
「やっぱり楽しいわ。ありがとうね、律子」
 そのはずだったのに、伊織の言葉に私の心はまた乱されてしまう。
 しかし上機嫌な彼女の横顔はやはり愛らしくて、私はどうでもよくなって文句の言葉を放り捨ててしまった。


-END-

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